www.ibaraki-maibun.org 発掘情報いばらき
発掘遺跡・整理遺跡
情報最前線
概要
発掘遺跡・整理遺跡
これまでの発掘・整理遺跡
小中学生のためのやさしい考古学講座
報告書のご案内
リンク集
HOME
E-mail

埋蔵文化財整理センター[ご案内マップ]

 

今月の逸品:柴崎大日(しばさきだいにち)塚出土の「寛永の大日様」


柴崎大日塚は,つくば市の東部に位置しており,古い地図で確認すると,当遺跡は江戸時代には柴崎村の外れにあたります。古墳として調査を開始しましたが,埋葬施設や周溝が確認できず,後述する石仏などが出土したことから江戸時代の塚であることがわかりました。 今回紹介するのは,塚に祀(まつ)られていたと考えられる石仏です。大きな鼻で角ばった肩などの特徴的な顔立ちをしており,その手で印を結ぶ姿から,胎蔵界大日如来(たいぞうかいだいにちにょらい)であると分かります。この大日如来像は,茨城県の南部及び西部で50体ほど確認されており,寛永3(1926)年から寛永8(1631)年の6年間に,集中的に作られた「寛永の大日様」と呼ばれる石仏です。今回出土した石仏に彫られている年号は「寛永六年己巳(つちのとみ)八月十八日」と読むことができます。発掘調査によって地元でも忘れられてしまった信仰の姿が確認できた良い例だと言えるでしょう。
 
寛永の大日様(左は拓本) 大日様のアップと彫られた年号
 

今月の逸品:清水原山(きよみずはらやま)遺跡出土の動物意匠把手


清水原山遺跡は潮来市の北端部に所在し,夜越川の支谷に囲まれた標高約39mの台地上に位置しています。当遺跡は縄文時代中期後葉から後期前葉にかけての集落跡で,確認された遺構は竪穴建物跡11棟,炉跡2か所,地点貝塚4か所,土坑158基などです。
出土した遺物はコンテナ140箱で,大型土器を含む縄文土器をはじめ,耳飾りや土器片錘などの土製品,磨製石斧や打製石斧,磨石などの石器,石棒などの石製品もあります。今回紹介する動物意匠把手は,中期末葉の加曽利E4式に比定されるもので,土坑に投棄された状態で,4点出土しています。これらの把手は,鳥を象(かたど)ったものが多く,蛇・蛙などに見えるものもあります。把手はいずれも顔が内側を向いており,出産や送葬に係わる土器とする考えもあります。この動物意匠把手は加曽利E4式土器の分布とほぼ一致した範囲で確認され,関東地方東部や東北地方南部に多く発見されています。
 
動物意匠把手(表面) 動物意匠把手(裏面)
 

今月の逸品:柴崎大堀(しばさきおおほり)遺跡出土の旧石器時代遺物


 柴崎大堀遺跡は,つくば市の東部に位置しています。花室川と桜川に挟まれた舌状台地を横切るように掘られた中世の堀と土塁の調査を行いました。それ以前の人々の痕跡として,旧石器時代の石器集中地点や縄文時代の陥し穴も確認できました。
 今回紹介するのは,旧石器時代の石器集中地点から出土した遺物です。16点の破片が接合し,一つの固まりとなりました。接合した固まりは半分に割られた状態で,もとの石は拳大程度のものだったと思われます。接合の状況から,石を割っていく過程が読み取れます。また,接合した破片の間に大きな隙間が出来ています。この隙間に当てはまる破片は現場から出土していません。おそらく道具として利用するために,もとの石の残り半分と一緒に持ち去られたものと考えられます。遺物の出土状況から,旧石器時代の人はそれほど長い時間この場所にいたようには見えませんが,石器を作っている様子がいろいろと想像できる面白い資料です。
 
接合した破片資料 該当する破片が見つからなかった隙間
 

今月の逸品:築地(ついじ)遺跡出土の骨角器


築地遺跡は,常総市の北部に位置する縄文時代後期後葉から晩期中葉を中心とする集落跡です。調査の結果,竪穴建物跡51棟,土坑196基のほか,多量の遺物が出土する遺物包含層が確認され,当期の関東地方でみられる「環状盛土遺構」に類似する集落であることがわかりました。
出土した遺物はコンテナ約700箱で,優美な縄文土器をはじめ,土偶や耳飾りなどの土製品,石鏃や石皿・磨石などの石器,石剣・石棒や翡翠製の勾玉などの石製品もあります。今回紹介する骨角器は,後期後半の第8号建物跡と晩期前半の第143号土坑から出土した物を水洗いして確認しました。日本の酸性土壌では有機質の遺物は非常に残りにくいのですが,この2つの遺構は使われなくなったあとごみ穴として利用され,オオタニシなどの貝類とともに捨てられていたため,良好な状態で確認できました。左は鹿角製の栓状製品で,弓矢の弦の輪をかける部分であるゆはずと考えられています。中央は鹿角製のかんざしで,赤彩されたあとがあります。右はシカの中手骨製の骨鏃です。このほか,ごみ穴からはシカやイノシシ,コイやウナギの骨なども出土しており,当時の環境や生活の様子が復元できる良好な資料を得ることができました。
 
出土した骨角器 遺構内サンプル土壌の水洗選別作業
 

 
もどる
上へ
2002 Ibaraki education foundation. All rights reserved.