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潮来事務所

 

清水原山遺跡(きよみずはらやまいせき 08-223-146) [ご案内マップ]

所在地 茨城県潮来市清水原山284-83番地ほか
立地 潮来市の北西部,霞ヶ浦と北浦に挟まれた標高約38mの台地上
調査原因 東関東自動車道水戸線(潮来〜鉾田)建設事業
委託者 国土交通省関東地方整備局常総国道事務所
調査期間 2016年4月1日〜6月30日
調査面積 1,353㎡
種類 集落跡
主な時代 縄文時代,古代
主な遺構 竪穴建物跡3棟,溝跡3条,土坑約40基,炉跡2基
主な遺物 縄文土器(深鉢),須恵器(高台付坏),土師器(坏),土製品(土器片錘,土器片円盤,ミニチュア土器),石器・石製品(打製石斧,磨製石斧,磨石,敲石,石皿,砥石,楔形石器,剥片,軽石製品),金属製品(銭貨)
*主な時代をクリックすると年表が出ます。

調査の成果

4月からの3か月間の調査によって,縄文時代中期後葉から後期前葉にかけての竪穴建物跡や円形土坑,袋状土坑,古代以降の直線的な溝跡(第10号溝跡)や直角に曲がる箱堀状の溝跡(第1号溝跡)などを確認しました。調査範囲は,縄文時代の大規模に広がる集落跡の北縁部付近に相当し,外側に竪穴建物跡,その内側に円形土坑や袋状土坑が配置されている様子が窺えます。それらの遺構からは多量の縄文土器片と石器などが出土しています。当地域では当該期の集落跡はあまり調査されていないことから,これらの事例は大きな成果と言えます。さらに,第1号溝跡はその形状と規模などから,調査範囲を含んだ広範囲を方形に区画している溝跡の一部と推測されます。調査範囲の周辺には,古代以降の居館跡などが地中に眠っているのかもしれません。このように,昨年度からの調査によって,当遺跡は縄文時代中期後葉から後期前葉には集落が営まれ,古代以降も区画などの溝を伴った生活の舞台として様々に利用されていたことが明らかになりました。
 
円形に掘り込まれた第8号竪穴建物跡 中央に地床炉をもつ第9号竪穴建物跡
 
灰の詰まった地床炉(第9号竪穴建物跡) 東西方向にのびる古代の第10号溝跡
 
 

調査の状況

平成28年度の調査が始まりました。今年度は,2か所に分かれていた昨年度調査区の中間部分を調査しています。昨年度と同様に縄文時代中・後期の遺構が中心となっています。今回の調査でも,袋状に掘り込まれた縄文時代の土坑を確認しました。また,昨年度に調査した溝跡の一部などを確認しました。このうち,第1号溝跡は上幅約2m,深さ約60cmで,断面形は箱堀状です。この溝跡に伴う遺物がなく,時期や性格は不明ですが,今後の調査で明らかにしていきたいと思います。
 
やや袋状に掘り込まれた縄文時代の土坑 箱堀状の第1号溝跡
 
 

 
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