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阿見追原事務所

〒300-0314 稲敷郡阿見町大字追原字内出1946-1   
TEL.FAX 029-889-0278
 
遺跡名
調査期間
主な遺構
主な遺物
根方遺跡 平成21年6月〜平成21年9月 縄文・古墳・奈良・平安 竪穴住居跡,竪穴建物跡,土坑,粘土採掘坑溝跡 縄文土器,土師器,須恵器,石製品,金属製品,瓦
小作遺跡 平成21年4月〜平成21年7月 縄文・古墳・奈良・平安 竪穴住居跡,掘立柱建物跡,土坑,陥し穴,  溜井跡,溝跡,道路跡 縄文土器,土師器,須恵器,灰釉陶器,緑釉陶器,土製品,金属製品,石器
*主な時代をクリックすると年表がでます。
 

根方遺跡(ねがたいせき)


平成21年9月の調査状況

 

6月から調査していた根方遺跡は,9月末で調査を終了しました。その結果,竪穴住居跡31軒,竪穴建物跡1軒,土坑23基,粘土採掘坑2基,溝跡2条を確認しました。奈良時代を中心とする集落跡で,注目される遺物としては軒丸瓦が挙げられます。これは,寺院の軒先に取り付けられる装飾の入った瓦で,蓮の花の文様が描かれています。他にも鬼瓦・平瓦・丸瓦など,瓦が多数出土していることから,根方遺跡に隣接する諏訪廃寺との関連が注目されます。これまで調査例の少なかった古代信太郡の歴史を解明する貴重な史料を得ることができました。
今回の調査の成果は,来年度以降に整理をし,報告書として刊行する予定です。

 

 
北の空から見た根方遺跡
奈良時代の住居跡から出土した軒丸瓦
 

平成21年7月の調査状況

 

当遺跡は,小作遺跡の南側,標高約24mの台地平坦部から標高約16mの斜面部に位置しています。縄文時代中期(約4000年前),奈良時代(約1200年前),平安時代(約1000年前)の竪穴住居跡35軒のほか,土坑34基,溝跡2条など人々の生活の跡を確認しました。
今月は,斜面部にあたる調査区中央部と調査区南部の調査を進めています。調査区中央部からは,奈良時代の竪穴住居跡が見つかり,集落が台地平坦部から斜面部にまで広がっていることがわかりました。また,調査区南部に位置する竪穴住居跡からは,縄文土器の深鉢が出土しました。斜面部に位置していることから,調査区域外の台地平坦部から広がっている縄文時代の集落の縁辺部にあたる可能性があります。
今後の調査で,小作遺跡など隣接する遺跡との関わりを考えるための資料も発見できるのではないかと期待しています。

 

 
斜面部の竪穴住居跡を掘り込むスタッフ
低地の粘土層を掘り込んで建てられている,
奈良時代の住居跡
 

平成21年6月の調査状況

 

主要地方道竜ヶ崎阿見線バイパス整備事業に伴い,5月から当遺跡の調査を始めました。根方遺跡は,現在調査を行っている小作遺跡の南,東に清明川が流れ,北西に筑波山をのぞむ台地上に位置しています。標高約25mの台地上から標高約16mの斜面部にかけて,当時の生活のあとが確認されました。縄文時代中期(4000年ほど前)から平安時代(1200年ほど前)の竪穴住居跡35軒,土坑34基,溝跡2条などを調査中です。今回の調査で発見される様々な遺構や出土遺物を通して,当時の人々の様子をうかがい知ることができると期待しています。

 
奈良時代の住居跡を調査するスタッフ
奈良時代の住居跡の全景
 
 

小作遺跡(こさくいせき)


平成21年7月の調査状況

 

昨年度2月2日から始まった当遺跡の調査が7月17日に終了しました。調査の結果,縄文時代の住居跡10軒,古墳時代の住居跡18軒,奈良時代の住居跡8軒,平安時代の住居跡26軒,奈良・平安時代の掘立柱建物跡35棟,大形円形土坑1基のほか,土坑708基などを確認しました。今回の調査では掘立柱建物跡が,台地上の平坦部を中心にまとまって確認できました。柱を立てるための穴(柱穴)の規模が大きいことや,庇(ひさし)を持つ建物が存在したことから,大形の建物が立ち並んでいたと思われます。仮名文字や,漢字が書かれた墨書土器や,貴重な陶器なども数多く出土しており,文字を扱ったり貴重な陶器類を手に入れたりすることができる人々が住んでいたことが考えられます。

 
小作遺跡の全景
平安時代の土坑から確認された
仮名文字が書かれた坏
 

平成21年6月の調査状況

 

これまでの調査で,遺跡の中心となる時代は,奈良・平安時代であることがわかりました。台地の平坦部に27棟の掘立柱建物跡と33軒の竪穴住居跡が確認されました。同時期にどのくらいの数の建物が建っていたかを解明することは今後の課題ですが,多数の掘立柱建物跡が確認されたことと共に,それらが規則的に並んでいること,なかには庇(ひさし)をもつ大きな掘立柱建物跡があることなど,この遺跡が一般的な集落跡とは性格を異にした特殊な遺跡であったことは確実です。珍しい出土品としては,平安時代の「土馬(どば)」と呼ばれる馬の形をした土製品があります。雨乞いや厄払いのような「まじない」に使われていたと考えられます。7月11日(土)午前10時30分から調査成果の一般公開を行いますので,どうぞご参加ください。詳しいことは,「最新の情報」に掲載されていますのでご覧ください。

 
奈良・平安時代の掘立柱建物群
平安時代の土坑から出土した土馬
 

平成21年4月の調査状況

 

小作遺跡は,南に清明川を,北西には筑波山を望む標高約25mの台地上から標高約14mの斜面部にかけて立地しています。今回の調査は,主要地方道竜ヶ崎阿見バイパス整備事業に伴い,昨年度2月から継続して行われています。これまでに確認された遺構は,縄文時代(4000年ほど前)から平安時代(1200年ほど前)の竪穴住居跡76軒のほか,掘立柱建物跡16棟,大形円形土坑1基,溜井跡1基,溝跡17条,道路跡1条のほか,土坑,陥し穴などです。これからの調査で,この集落の人々の生活の様子がより明らかになってくることが期待されます。

 
古墳時代前期の住居跡から出土した土器類
大形円形土坑
 

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