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整理センター国田分館[ご案内マップ]

 
高須賀中台東遺跡(たかすかなかだいひがしいせき)[ご案内マップ

整理の成果
高須賀中台東遺跡はつくば市の西部に位置し,小貝川左岸の標高21mほどの台地縁辺部に立地しています。

整理作業の結果,当遺跡は,後期旧石器時代から古墳時代前期にかけて,人々が断続的に生活を営んでいたことがわかりました。後期旧石器時代の遺物として,ナイフ形石器や石刃などを複数確認しました。石材の黒曜石,瑪瑙,頁岩は,それらの特徴から筑波山麓や栃木県,遠くは東北地方から運ばれてきたものであることが分かりました。
縄文時代の竪穴建物跡6棟はいずれも前期(約6,000年前)で,この時期に集落が形成されていた様子がうかがえます。また,後期や晩期の遺物もあり,前期以外の時期にも人々が生活していたことが想定できます。
当遺跡で集落が最も拡大したのは古墳時代前期(約1,700年前)で,竪穴建物跡25棟を確認しました。確認した建物の多くは,焼土や炭化材が出土していることから,焼失住居と考えられます。また,出土した土器の多くが接合関係にあることや,炉床面から出土した火熱を受けていない鏡形土製品,糸巻形土製品や翼状土製品などから,建物の廃絶に係る祭祀的な行為が想定できます。土製品が火熱を受けていないことから,住居を焼却した跡に祭祀的行為を行ったと考えられます。
いにしえの時代から,人々が神聖なるものへの畏敬の念を持ちながら暮らしていたその一端が,少し明らかになってきました。
炭化材や土器片が出土している竪穴建物跡
出土した鏡形土製品


面野井古墳群(おものいこふんぐん)[ご案内マップ

整理の成果
当古墳群は,つくば市の西部に位置し,谷田川左岸の標高約15〜20mの台地上縁辺部に立地しています。
整理作業の結果,古墳時代前期の第2号方形周溝墓の埋葬施設から装着状態を保って出土した玉類の数は34点で,頸部にあたる位置には特に装飾性の高い水晶製の勾玉,緑色凝灰岩や赤色チャート製の管玉などが飾られていたことがわかりました。当地域に居住していた集団の長(おさ)が埋葬されていたと考えられます。また,周溝から出土した赤く塗られた装飾壺は,縄文や棒状浮文・円形浮文などが施されていることから,南関東系の文化の影響を受けていることがわかりました。
谷田川流域には,同じ特徴を持つ装飾壺が出土した古墳時代前期の集落跡や方形周溝墓が点在していることから,南関東系の文化を持つ集団が谷田川水系を介して移住し,開拓を行っていったと考えられます。
第2号方形周溝墓の埋葬施設から
出土した玉類(装着イメージ)
第2号方形周溝墓の周溝から
出土した装飾壺


取手宿跡1(とりでしゅくあと)[ご案内マップ

整理の成果
取手宿跡は,取手市の南東部に位置し,利根川左岸の標高6〜8mの河岸段丘上に立地しています。取手宿は,江戸時代,江戸と水戸をつなぐ水戸街道に沿って設けられた宿場町です。江戸時代の礎石建物跡2棟,土坑6基,溝跡1条,整地層2か所などが確認されています。
整理作業の結果,出土した土師質土器,瓦質土器,陶器,磁器のうち,磁器の割合が最も高いことが分かりました。磁器のほとんどは肥前系のものでした。整地層2か所から出土した陶磁器は,18世紀代から19世紀前葉にかけての碗類や皿類などの生活雑器であり,整地する以前から,不要となったものを捨てていたと考えられます。江戸時代後期の取手宿では,磁器は鑑賞用としての希少な物ではなく,生活雑器として,使用されていたことが分かりました。
街道沿いにあった礎石建物跡
出土した陶器や磁器


神明遺跡(しんめいいせき)[ご案内マップ

整理の成果
神明遺跡は取手市の北西部に位置し,小貝川右岸の標高20mほどの北相馬台地北縁部に立地しています。調査区域は西から東へ緩やかに傾斜しており,その北側には小貝川へ向かう急な斜面があります。縄文時代の竪穴建物跡2棟,炉穴4基,炉跡2基,土坑29基などが確認されました。
整理作業の結果,竪穴建物跡2棟と近接する炉穴1基は,出土した土器から,それぞれ茅山下層式期に比定でき,ほぼ同時期に存在していたものであることが分かりました。この時期,人々は炉を伴わない楕円形の竪穴建物に住み,野外にある炉で,調理をしていたと想定できます。当遺跡の東側にも同時期の集落が確認されており,集落の範囲は東方向へ広がっていたと考えられます。
また,遺構外からナイフ形石器が出土したことから,後期旧石器時代も人々の生活領域であったと考えられます。
縄文時代の竪穴建物跡
出土した石器


宿北遺跡(しゅくきたいせき)[ご案内マップ]

整理の成果
宿北遺跡は五霞町の北西部に位置し,利根川右岸の標高11〜13mの低台地上に立地しています。
整理作業の結果,縄文時代では,後期前葉の竪穴建物跡1棟のほか,早期後半,前期前半,中期後半,後期前葉の土坑が断続的に設けられていることがわかりました。
室町時代では,亡くなった人を火葬した場所やお墓が,区画された溝の内側にまとまっていたことがわかりました。江戸時代では,排水用の溝から,川へ水を流す場所であることがわかりました。
 
縄文時代の竪穴建物跡
縄文時代の土坑から出土した土器


宿東遺跡(しゅくひがしいせき)[ご案内マップ]

整理の成果
宿東遺跡は五霞町の北西部に位置し,利根川右岸の標高12mほどの低台地上に立地しています。
整理作業の結果,縄文時代前期前葉(約6,000年前)では,竪穴建物を囲んで貯蔵用の土坑や墓が配置され,室町時代(約400年前)では,2時期にわたって土坑墓が設けられ,江戸時代には屋敷が設けられていることが分かりました。
 
縄文時代の竪穴建物跡
出土した縄文土器片


寺山遺跡(てらやまいせき)[ご案内マップ]

整理の成果
寺山遺跡は五霞町の北西部に位置し,利根川右岸の標高13mほどの低台地上に立地しています。
整理作業の結果,寺山遺跡は,古墳時代が中心となる遺跡で,竪穴建物跡5棟は,中期(約1,600年前)であることがわかりました。遺物は土師器(坏・甕)のほかに,勾玉,有孔円板などの石製模造品が出土しており,竪穴建物の廃絶に際して石製模造品を使ったマツリを行ったことがわかりました。また,後期(約1,400年前)の古墳の周溝から出土した折り曲げられた直刀は,出土例が,全国的にも少なく,茨城県域では初めての出土であることがわかりました。被葬者に対する儀礼の一つと考えられます。
 
古墳全景(南上空から)
古墳から出土した遺物


水戸市立国田小学校 3年生の国田分館見学

5月8日,国田小学校の3年生が社会科見学のために整理センター国田分館を訪れました。
屋上で学校の周りの様子について学習した後,たくさんの土器を整理・分類している作業を見学していきました。初めて見る土器に興味津々なようで「何年前のものですか。」,「どこで見つかったんですか。」など熱心に質問をしていました。
 
写真1 作業現場を見学しています。
写真2 復元した土器の説明を聞いています。
 
事前に申し込んでいただければ,整理作業の見学,図書の閲覧が可能です。たくさんの方のご来館をお待ちしております。

住所:水戸市下国井町1661-2
電話:029-239-6000
開館日:毎週月曜日〜金曜日(土・日曜日・祝祭日は閉館)
開館時間:午前9:00から午後4:30まで

地図URL:http://www.mapion.co.jp/m/36.4226091666667_140.43616_10/                              
希望される方は,当財団本部埋文企画管理課 担当:清水(TEL:029-225-6587)までお問い合わせ下さい。
 

整理センター開館のお知らせ

整理センターでは,茨城県内の発掘調査で記録した図面の整理や出土した土器の接合・復元・実測などの作業を行い,報告書を作成しています。

本年度は,稲敷市清水古墳群・神屋遺跡,つくば市高須賀中台東遺跡・島名熊の山遺跡・面野井古墳群,境町西泉田伏木遺跡・山崎遺跡群,五霞町宿北遺跡・宿東遺跡・寺山遺跡,大洗町千天遺跡,取手市取手宿跡・神明遺跡,坂東市宮内遺跡・長右衛門元屋敷遺跡,古河市古屋敷遺跡・恩名新三郎遺跡の8市町村の17遺跡を整理する予定です。

現在,発掘調査で記録した図面を点検・修正や出土した土器を復元する作業を行っています。今年度は,整理センター見和と整理センター国田分館で作業を行っており,事前に申し込んでいただければ,整理作業の見学,図書の閲覧が可能です。

昨年度は,地域の方々の見学や市内の小学生の体験活動等が行われ,喜びの声を頂きました。本年度も,たくさんの方々のご来館をお待ちしております。

開館日:毎週月曜日〜金曜日(土・日曜日・祝祭日は閉館)
開館時間:午前9:00から午後4:30まで

連絡先:
整理センター国田分館 水戸市下国井町1661-2
  TEL 029-239-6000
地図URL:http://www.mapion.co.jp/m/36.4226091666667_140.43616_10/
 
写真1 ようこそ歴史の広場へ。
写真2 報告書の閲覧もできます。
 
写真3 図面を点検します。
写真4 土器を復元します。
 

 
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