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那珂事務所 [ご案内マップ]

〒319-2102 那珂市瓜連1,386-2
47 578 788*63
「マップコード」および「MAPCODE」は(株)デンソーの登録商標です。
 

下大賀遺跡(しもおおがいせき 08-343-007) [ご案内マップ]
47 608 404*63

所在地 茨城県那珂市下大賀910番地7ほか
立地 那珂市の北部,久慈川とその支流である玉川右岸の標高42mの台地上
調査原因 一般国道118号道路改築事業
委託者 茨城県常陸大宮土木事務所
調査期間 2017年4月1日〜2018年3月31日
調査面積 8,155㎡
種類 集落跡
主な時代 奈良時代,平安時代,鎌倉時代,室町時代,江戸時代
主な遺構 竪穴建物跡,掘立柱建物跡,土坑,溝跡,道路跡,柱穴列,ピット群
主な遺物 土師器(坏・皿・甕・甑),須恵器(坏・甕・蓋・盤・紡錘車),灰釉陶器(壺),陶器(碗・深皿・鉢・壺・瓶子・花瓶・甕),磁器(碗),土製品(管状土錘・紡錘車),石器(鏃・砥石),石製品(紡錘車・丸鞆),金属製品(鏃・鋤先・釘・刀子・丸鞆・鑿状工具),古銭
*主な時代をクリックすると年表が出ます。
 

調査の状況

第6次調査が終了しました。今回の調査で,奈良時代・平安時代の竪穴建物跡66棟,平安時代の掘立柱建物跡を3棟,鎌倉時代から江戸時代にかけての道路跡を1条,溝跡を11条,土坑を344基,柱穴列を2か所,ピット群14か所などを確認しました。6次に渡る調査で国道118号線の西側900m, 面積26,056㎡の調査が終了しました。その結果,当遺跡は旧石器時代から江戸時代にかけての複合遺跡であり,長い間にわたって人々が生活していた痕跡を確認でき,特に奈良・平安時代には,大規模な集落が営まれていたことが分かりました。朱書された墨書土器,役人の腰帯具の存在や過去の調査の掘立柱建物群などから,この地域の中心的な集落の様相が次第に明らかになってきました。
 
調査を終えた2区の遠景(南から) 遺跡の全景(真上から)
 
 

調査の状況

調査2区の調査が終盤に差し掛かっています。先日,現地説明会を行い,朱書された墨書土器を現地説明会に来跡された皆さんに見ていただきました。墨書土器は,今年度の調査区全体で現在60点ほど出土しています。朱書された墨書土器だけが須恵器で,それ以外は全て土師器に書かれていました。『永』や『永冨来』,『冨内』,『前子家』などの文字が確認できました。第244号竪穴建物跡からは,須恵器の高台付坏の底部を硯に転用した転用硯が出土しました。
 
第244号竪穴建物跡から出土した『上』と墨書された土師器皿 第206号竪穴建物跡から出土した『永』と朱書された須恵器坏
 
 

調査の状況

現在,調査2区の調査を進めています。奈良・平安時代の竪穴建物跡21棟を確認し,北側から調査を進めています。調査区の北部・中央部に竪穴建物跡が集中しています。これらの建物跡の軸は,向いている方向がほぼ同じでした。第241号竪穴建物跡からは,奈良時代の遺物と考えられる須恵器の蓋と盤が出土しました。また,第242号竪穴建物跡からは,須恵器の紡錘車が出土しました。
 
第241号竪穴建物跡から出土した須恵器蓋と盤 第242号竪穴建物跡から出土した須恵器紡錘車
 
 

調査の状況

調査3区の調査が終了しました。奈良・平安時代の竪穴建物跡28棟,溝跡8条,柱穴列1基,土坑68基,ピット群8か所を確認しました。竪穴建物が深く掘り込まれてつくられていたため,調査には時間がかかりましたが,遺物が多く残され,遺存状況が良好な竈も確認できました。調査区の北側に竪穴建物跡が集中していることから,この建物跡が少なくなってくる場所が集落の南限と考えられます。今後はこの調査区の北側2区の調査を進めていきます。
 
遺跡の近景(真上から) 遺跡の遠景(北から)
 
 

調査の状況

調査区南部の調査がほぼ終了しました。第212号竪穴建物跡では,土師器や須恵器の甕・坏片が多く出土しました。竪穴建物跡の床面近くから,長さ26cmほどの鉄の鋤先が出土しました。内側には柄を取り付けたと考えられるほぞも確認できました。同じ建物跡からは,灰釉陶器やベルトの装飾品である石製の丸鞆(まるとも)も出土しました。また,多くの建物跡で竈を確認できましたが,攪乱により遺存状態があまりよくありませんでした。そのような中でも第214号竪穴建物跡の竈からは多くの遺物が出土しました。また,竈の袖の芯材に凝灰岩を使用している建物跡を数棟確認できました。
 
第212号竪穴建物跡から出土した鉄製品の鋤先 遺物が多量に出土した第214号竪穴建物跡の竈
 
 

調査の状況

調査区の南部では,竪穴建物跡のほか,溝跡や多数の土坑を確認しました。どの竪穴建物跡も掘り込みが深く,確認面から60〜70cm掘り込んだところで床が確認できました。第206号竪穴建物跡では,土師器や須恵器の甕・坏,管状土錘などが出土しています。遺物の中には,朱墨で文字が書かれた墨書土器,文字や模様が刻まれた刻書土器などがあります。また,第209号竪穴建物跡では,竈の煙道部に底部のない土師器の甕が逆さに設置されていました。中の土や甕も火を受けている様子が見られるので,煙を外に出すときに使われたと考えられます。
 
多くの遺物が出土した第206号竪穴建物跡 煙道部に甕が使われていた竈
 
 

調査の状況

調査1区の調査が終了しました。平安時代の竪穴建物跡15棟,溝跡6条,道路跡1条,柱穴列1基,土坑96基を確認しました。第3号道路跡は調査区に沿って弓なりに曲がって延びており,平安時代の竪穴建物跡のあとに道路がつくられていたことがわかりました。この道路跡は鎌倉時代から江戸時代にかけて利用されていたとみられ,当時の道路跡の作り方や,瓜連地方の交通の様子が伺える貴重な資料となりました。
 
遺跡の遠景(北西から・静神社方面を望んで) 弓なりに曲がる道路跡
 
 

調査の状況

現在,第3号道路跡の波板状凹凸面の調査を進めています。波板状凹凸面の覆土内からは,地業に用いられたと考えられる礫が出土しています。大きい礫では,長辺30cm程度のものが見られます。道路構築において,東側は軟弱な地盤を改良するために,多量の礫を敷き詰める大がかりな地業が行われたと考えられます。遺物は,波板状凹凸面の覆土中から古銭が出土しています。また,青磁片や陶器の古瀬戸片も出土しており,道路構築時期の特定に重要な遺物となります。
 
波板状凹凸面内の礫の出土状況(西側) 波板状凹凸面内の礫の出土状況(東側)
 
 

調査の状況

先月に引き続き,道路跡や竪穴建物跡,土坑の調査を進めています。第3号道路跡の道幅は,両側の側溝の中心から中心までで約5mあります。側溝は,一番深いところで道路面から約50?の深さがあります。側溝は何回か掘り返しが行われていますが,側溝ごとに時期を明確に決定できる遺物は出土していません。道路面から出土した陶器片や磁器片は,13世紀から15世紀のものです。また,道路遺構に伴う工法として,波板状凹凸面が確認されています。波板状凹凸面とは,円形や溝状に掘り込んだもので,砂利や小石を入れ舗装をしています。
当遺跡の道路遺構は,中世以降の瓜連地域の交通網を考える資料として,大変貴重なものであると考えられます。
 
第3号道路跡完掘(東から) 第3号道路跡完掘(西から)
 
 

調査の状況

6月18日日曜日に『いせきぴあわくわく体験』の『発掘調査をしよう』が当遺跡で行われました。当日は,34組の親子の参加があり,大盛況でした。竪穴建物跡を発掘している子供たちからは,「たくさんの土器が出てきた!」という喜びの声が聞こえてきました。一方で,道路跡を発掘している子供たちからは,「すごく硬い・・・。」という声が。発掘の楽しさと大変さを実感してもらえた体験になったと思います。また,保護者の方々も子供と一緒に掘り込みを行い,大変楽しそうでした。ぜひ,この体験を機に,親子で文化財への興味を深めてもらえればと思います。
6月は,道路跡の調査を進めました。硬化面(道路使用面)ごとに写真と図面を残し,現在は3次面の調査を行っています。遺物は,陶器片や磁器片が出土しています。土層の観察から,側溝を何回か掘り直していることが分かりました。また,平安時代の竪穴建物跡からは,灰釉陶器の壺や土師器の甕と坏,墨書土器などが出土しました。
 
竪穴建物跡を慎重に発掘する子供たち 硬い道路跡を懸命に掘り込む親子
 
道路跡に付随する側溝を掘り込み調査中 第182号竪穴建物跡から出土した土師器,灰釉陶器
 

調査の状況

平成29年度の下大賀遺跡の発掘調査が始まりました。本年度は通年での調査を予定しています。現在は,国道118号の東側の調査区を調査しています。表土除去を行い,遺構確認作業を進めたところ,調査区を東西に縦断するように黒色土が広がっていました。一部を掘り下げたところ,両脇に側溝をもつ約6m幅の道路跡であることがわかりました。また,道路跡に堆積した土の中から,室町時代の陶器の破片が見つかりました。いつの時代に利用された道路跡なのかを解明する手掛かりとなる遺物が出土することを期待しながら調査を進めています。
 
遺構確認作業で姿を現す道路跡 東西に長く延びる道路跡と多数の遺構
 
 

 
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