下大賀遺跡
しもおおがいせき
所在地 | 茨城県那珂市下大賀字静賀1945ほか |
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立地 | 那珂市北西部、久慈川支流の玉川右岸の標高約43~44mの台地上 |
調査期間 | 2022年4月1日~10月31日 |
調査面積 | 7,044㎡ |
主な時代 | 古墳時代平安時代室町時代 |
主な遺構 | 弥生土器、土師器、須恵器、土師質土器、陶器、土製品、石製品、鉄製品 |
主な遺物 | 弥生土器、土師器、須恵器、土師質土器、陶器、土製品、石製品、鉄製品 |
調査の成果
date on: 2022.10
4月から始まった調査が終了しました。今回の調査で最も注目されるものとして、古墳時代中期の集落跡の確認と鉄剣の出土があげられます。これまでの発掘調査では、古墳時代中期の竪穴建物跡の確認数は少なく、遺跡範囲の北東部に限定されていました。今回も調査区の北側でのみ竪穴建物跡が確認され、集落の広がりを考えるうえで貴重な発見となりました。
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空から見た下大賀遺跡と調査区
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調査を終えた調査区
調査の状況
date on: 2022.09
平安時代の竪穴建物跡を調査しています。一辺の長さが約3mと小型で、柱穴が確認できないものが多いです。後世の攪乱により遺物の出土も少ない状況ですが、「家」と書かれた墨書土器などが出土しています。
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平安時代の竪穴建物跡
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「家」と墨書された土師器坏
調査の状況
date on: 2022.09
特徴的な平安時代の井戸跡を確認しました。上面の幅が約3mもある大型のもので、深さ約1.5mまで大きく方形に掘りこみ、下部は径1mほどの小ぶりな円筒状をしています。井戸跡からは、「大」と書かれた墨書土器や土錘などが出土しました。
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平安時代の井戸跡 方形の掘り込み
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下部の円筒状の掘り込み
調査の状況
date on: 2022.07
古墳時代と考えられる第261号竪穴建物跡から、多くの土器とともに鉄剣が出土しました。鉄剣は全長65cm、刃渡り52cmで、切っ先から茎まで折れずに残っていました。古墳から出土することが多く、竪穴建物跡から完全な形で出土することは稀です。何らかの祭祀に用いられた可能性があります。
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鉄剣が出土した第261号竪穴建物跡
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出土した鉄剣
調査の状況
date on: 2022.06
確認した竪穴建物跡の煮炊き施設をみると、炉が設けられたもの、竈(かまど)と炉が設けられたもの、竈のみが設けられたものと3つのバリエーションが見られます。これらの竪穴建物跡は、いずれも古墳時代中期のもので、炉から竈での煮炊きに移り変わる時期にあたります。当時の人々の生活様式が、変化していく様子をうかがえる貴重な資料となりました。
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北壁に竈を設けた竪穴建物跡
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炉と竈が併設された竪穴建物跡
(1:竈 2:炉)
調査の状況
date on: 2022.05
遺跡の調査は、当財団で8回、那珂市の調査を含めると11回目となります。今回の調査では、古墳時代と室町時代の遺構や遺物を確認しました。竪穴建物跡はいずれも古墳時代中期のもので、土師器の高坏や甕などのほか、この時期には貴重だった須恵器も出土しています。
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古墳時代中期の竪穴建物跡
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出土した土師器や須恵器