下河原崎高山遺跡
しもかわらざきたかやまいせき
所在地 | 茨城県つくば市下河原崎字八ツ割514-4番地ほか |
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立地 | つくば市の南西部,西谷田川左岸の標高24mの台地縁辺部 |
調査期間 | 2018年8月1日~2019年3月31日 |
調査面積 | 2,016㎡ |
主な時代 | 縄文時代古墳時代 |
主な遺構 | 縄文土器(深鉢),土師器(坏・椀・鉢・甕・甑),須恵器(坏・高坏・壺),土製品(支脚),石器・石製品(石鏃・臼玉),鉄製品(鎌) |
主な遺物 | 縄文土器(深鉢),土師器(坏・椀・鉢・甕・甑),須恵器(坏・高坏・壺),土製品(支脚),石器・石製品(石鏃・臼玉),鉄製品(鎌) |
調査の成果
古墳時代後期の集落跡で,隣接する下河原崎谷中台遺跡の南半部から連なる一体の集落跡であることが明らかになりました。西谷田川左岸地域の古墳時代における様子を知ることができました。
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掘方調査で発見した竪穴建物跡
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調査終了状況
調査の状況
調査が終了し,隣接する下河原崎谷中台遺跡の南部と合わせて,空中写真撮影を行いました。一辺8mの第1号竪穴建物跡からは,4点の滑石製の臼玉をはじめ,土師器の坏,甕が床面に残されたままの状態で出土しました。また,同建物跡の床下からは,一辺が6m規模の竈を伴う竪穴建物跡を確認しました。大部分は第1号竪穴建物が建てられる際に削られてしまっていますが,竈の火床部,貯蔵穴,柱穴,壁溝を確認しました。
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調査区遠景(南から)
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調査区全景(北から)
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滑石製の臼玉
調査の状況
古墳時代後期の竪穴建物跡2棟を調査しました。規模は1棟が一辺4.5mの小型のもの,もう1棟は一辺8mの大型のものです。隣接する下河原崎谷中台遺跡や下河原崎高山古墳群でも同時期の集落跡や墓域が確認されており,関連性が注目されます。現在,調査を一時中断し,下河原崎谷中台遺跡の調査が終了した後に再開します。
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左袖部際から須恵器坏が出土した第3号竪穴建物跡の竈
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一辺2mの隅丸方形の第77号土坑
調査の状況
下河原崎高山遺跡の調査を再開しました。10月に紹介した第3号竪穴建物跡の竈の脇から,須恵器坏が完形の状態で出土しました。口径10.5㎝の小型の器形で,7世紀前葉のものと考えられます。県内での須恵器生産が本格化する前の製品で,他地域からの搬入品です。また,第3号竪穴建物跡の周囲から,同じ時期の土坑が確認できました。一辺2mの隅丸方形のものや径3mの円形のものがあり,いずれも土師器坏や甕の破片が焼土とともに投棄されています
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一辺4.5mの竪穴建物跡の遺物出土状況
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一辺8mの大型竪穴建物跡の遺物検出作業