発掘遺跡一覧

並木新田台北遺跡

なみきしんでんだいきたいせき

所在地 茨城県小美玉市大谷518番地ほか
立地 小美玉市の北西部,園部川左岸の標高約25mの台地上
調査期間 2017年5月1日~6月30日
調査面積 2,455㎡
主な時代 縄文時代古墳時代
主な遺構 縄文土器(深鉢),弥生土器(壺・鉢),土師器(壺・甕・坏・高坏・鉢・器台),土製品(土玉・ミニチュア土器・支脚),石器(磨製石斧・磨石・石核・剥片),鉄製品(鎌),土師質土器(内耳鍋)
主な遺物 縄文土器(深鉢),弥生土器(壺・鉢),土師器(壺・甕・坏・高坏・鉢・器台),土製品(土玉・ミニチュア土器・支脚),石器(磨製石斧・磨石・石核・剥片),鉄製品(鎌),土師質土器(内耳鍋)

調査の成果

古墳時代前期の竪穴建物跡4棟,古墳時代後期の竪穴建物跡1棟のほか,縄文時代前期の土坑などを確認しました。古墳時代前期の第2号竪穴建物跡は,確認した中では最も規模が大きく,長軸8.4m,短軸7mほどあります。北陸地方の影響を受けた甕をはじめ,畿内地方の影響を受けた壺,東海地方の影響を受けた壺など,様々な地域の土器が出土しました。集落内でも特別な竪穴建物であった可能性があります。同様な,北陸地方の影響を受けた甕は,第4号竪穴建物跡からも出土しています。また,第1号竪穴建物跡の貯蔵穴からも,東海地方の影響を受けた高坏が出土し,ほぞ継ぎの凸部を有する木製品も出土しています。炭化していたため,奇跡的に残っていました。
調査の結果,当遺跡は,縄文時代前期には,台地縁辺部を中心に小規模な土地利用がなされ,古墳時代前期になると,他地域との交流や影響を受け入れながら集落を営んだことが明らかとなりました。

  • 園部川を望む遺跡

  • 様々な地域の土器が出土した第2号竪穴建物跡

  • 東海地方の影響を受けた加飾壺

  • 第1号竪穴建物跡の貯蔵穴と出土遺物

  • 炭化した木製品

  • 東海地方の影響を受けた高坏

調査の状況

当遺跡では,現在のところ,古墳時代前期の竪穴建物跡をはじめ,縄文時代以降と考えられる50基以上の土坑を確認しました。複数の竪穴建物跡からは古墳時代前期の土器などが出土しています。特に注目すべきは,口縁部の外面に2・3条の擬凹線文が施され,受け口状に直立する甕形土器で,北陸地方の影響を受けた土器と考えられます。また,畿内地方の影響を受けた二重口縁の壺や東海地方の影響を受けた壺なども出土しています。様々な地域の土器が確認されたことから,他地域との交流や影響を受けながら営まれた集落の可能性があります。

  • 北陸地方の影響を受けた甕形土器

  • 畿内地方の影響を受けた二重口縁の壺形土器

小美玉事務所