中津川遺跡
なかつがわいせき
所在地 | 茨城県石岡市中津川245番地ほか |
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立地 | 石岡市の南東部,恋瀬川左岸の標高約24mの台地上 |
調査期間 | 2020年6月1日~9月30日 |
調査面積 | 2,969㎡ |
主な時代 | 縄文時代平安時代室町時代江戸時代 |
主な遺構 | 縄文土器,土師器,須恵器,陶器,磁器,土器片製品(土器片錘・土器片円盤),土製品(環状土錘),石器(打製石斧・石皿・磨石・敲石) |
主な遺物 | 縄文土器,土師器,須恵器,陶器,磁器,土器片製品(土器片錘・土器片円盤),土製品(環状土錘),石器(打製石斧・石皿・磨石・敲石) |
調査の成果
date on: 2020.09
調査の結果,縄文時代前期・中期の竪穴住居跡や土坑,平安時代の溝と火葬墓・土坑墓を確認しました。縄文時代前期の竪穴住居跡のうち1棟は,壁溝や出入口をもつしっかりとした造りでした。また,平安時代の土坑墓からは,土師器の坏11個がまとまって出土しました。前回紹介した土坑墓と比べて規模が大きく,柱が立っていたと考えられます。中津川遺跡で確認した3基の平安時代の墓は,どれも形態が異なるものです。
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真上から見た中津川遺跡
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中津川遺跡遠景(東から)
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出入口をもつ縄文時代の竪穴住居跡
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柱穴がある平安時代の墓
調査の状況
date on: 2020.08
平安時代の火葬墓を確認しました。蔵骨器は灰釉陶器の長頸壺で,土師器の坏を逆さまに乗せて蓋にしています。蓋の上からは鉄製の農具(鋤先)が出土しました。長頸壺を蔵骨器(火葬骨を収める容器)にしたものは,今年度当財団で調査した水戸市の舟塚古墳群でも出土していますが,蔵骨器としては珍しい形状です。中津川遺跡では,隣接する調査区でも同時期の土坑墓を確認しており,平安時代には墓域であったと思われます。
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出土した蔵骨器と鉄製農具
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蔵骨器として使われた長頸壺
調査の状況
date on: 2020.07
縄文時代中期の竪穴住居跡と袋状土坑を確認しました。竪穴住居跡は4本の柱穴をもつ方形と考えられます。内部に炉はありませんでした。袋状土坑からは完全な形になりそうな縄文土器が出土しました。これらの土器は,昨年度までの調査で確認した住居跡や土坑よりもやや古い時期のものと考えられます。当時の人々は時期によって住む場所を替えていったことが分かります。
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方形の竪穴住居跡
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袋状土坑から出土した縄文土器範囲
調査の状況
date on: 2020.06
6月から中津川遺跡の調査を開始しました。今回は,昨年度までの調査区の西側を調査します。現在は,重機による表土除去を行い,遺構の確認作業を進めています。出土する遺物の多くは縄文土器で,昨年度調査したムラの広がりが確認できそうです。
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遺構の確認作業
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遺構確認状況(白く囲んである範囲)