北久保B遺跡
きたくぼびーいせき
所在地 | 茨城県高萩市赤浜1543番地3ほか |
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立地 | 高萩市の北東部,関根川左岸の標高約21mの台地上 |
調査期間 | 2019年1月4日~3月31日 |
調査面積 | 1,593㎡ |
主な時代 | 古墳時代奈良時代平安時代室町時代 |
主な遺構 | 縄文土器(深鉢),弥生土器(壺),土師器(坏・椀・高坏・甕),須恵器(坏・高台付坏・蓋・盤・高盤・短頸壺・甕),石器(石核・剥片・石鏃),金属製品(刀子・鏃),銭貨 |
主な遺物 | 縄文土器(深鉢),弥生土器(壺),土師器(坏・椀・高坏・甕),須恵器(坏・高台付坏・蓋・盤・高盤・短頸壺・甕),石器(石核・剥片・石鏃),金属製品(刀子・鏃),銭貨 |
調査の成果
年明けからはじまった調査が終了しました。調査の結果,古墳時代から平安時代にかけての竪穴建物跡,室町時代以降の方形竪穴遺構などを確認しました。奈良時代の第4号竪穴建物跡の竈脇と南壁中央部付近からは,大量の土器片が集積された状態で出土しました。特に須恵器が多く,県北地域の土器様相を知る上で大きな手掛かりになります。また,方形竪穴遺構は,1辺約2mの正方形タイプと,短辺約2m,長辺約3mの長方形タイプの2種類に分類することができます。遺跡の西方に中世の松岡城が存在していたことから,何らかの関係が想定され,室町時代以降の土地利用についても重要な情報を得ることができました。
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北久保B遺跡(南から)の調査範囲
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重なり合って確認された竪穴建物跡
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多くの土器が出土した第4号竪穴建物跡
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竈脇に密集した土器片
調査の状況
1月に表土除去作業を終了し,遺構の調査を開始しました。調査範囲の西側が斜面部であり,遺構の分布は調査区東部の平坦な台地上に集中しています。現在,10棟の竪穴建物跡を調査しています。古墳時代後期の竪穴建物跡は,竈の構築材に凝灰質泥岩を用いており,県北地域に見られる特色が認められます。奈良時代の第4号竪穴建物跡は,古墳時代などの竪穴建物跡を掘り込んで構築されており,多くの遺物が出土しています。また,密集した9基の方形竪穴遺構を確認しました。第5号方形竪穴遺構からは,渡来銭の洪武通宝が出土しています。
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古墳時代後期の第2号竪穴建物跡
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第2号竪穴建物跡の竈
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密集する方形竪穴遺構
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洪武通宝(第5号方形竪穴遺構出土)