島名本田遺跡
しまなほんでんいせき
所在地 | 茨城県つくば市島名字本田4462番地ほか |
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立地 | つくば市の南西部,谷田川右岸の標高約24mの台地上及び約20m低地部 |
調査期間 | 2020年4月1日~5月31日,7月1日~8月31日 |
調査面積 | 2,109㎡ |
主な時代 | 縄文時代奈良時代室町時代江戸時代 |
主な遺構 | 縄文土器(深鉢),土師器(坏・甕),須恵器(坏・蓋・甕),土師質土器(皿・鉢・鍋・甕),瓦質土器(火鉢・火舎),陶器(碗・鉢・甕・花瓶),磁器(小杯・碗・瓶)土製品(土鈴),石器(鏃・石臼),石製品(五輪塔),金属製品(煙管・釘),銭貨(永楽通寳・寛永通寳・文久通宝),木製品(板・杭),人骨 |
主な遺物 | 縄文土器(深鉢),土師器(坏・甕),須恵器(坏・蓋・甕),土師質土器(皿・鉢・鍋・甕),瓦質土器(火鉢・火舎),陶器(碗・鉢・甕・花瓶),磁器(小杯・碗・瓶)土製品(土鈴),石器(鏃・石臼),石製品(五輪塔),金属製品(煙管・釘),銭貨(永楽通寳・寛永通寳・文久通宝),木製品(板・杭),人骨 |
調査の成果
date on: 2020.08
台地上の調査区では,縄文時代の竪穴建物跡や,須恵器の副葬品が出土した奈良時代の墓坑などを確認しました。建物跡や井戸跡,溝跡の多くは室町時代の遺構群でした。調査区の東部では方形竪穴遺構が,南部では柱穴列やピット群などを確認し,昨年度の成果と合わせると,倉庫や作業場などの簡易な建物群と掘立柱建物群などで構成されていた可能性があります。北部には東西方向に掘りこまれた溝跡を確認し,西端部には多くの五輪塔が廃棄されていました。区画の廃絶時に有力者の墓石である五輪塔が廃棄されていることは,中世社会が終焉し近世社会の始まりを物語っているのかもしれません。
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台地上の調査区
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溝跡に廃棄された五輪塔
調査の状況
date on: 2020.07
平成22年度に始まった調査から数えて,今回は第7次調査となります。西側調査区と東側調査区には標高差が4mほどあり,東側の低地部はこれまでの調査範囲で最も低い場所にあたります。ここからは,複数の井戸跡や溝跡などを確認しました。井戸跡はロート状の断面形状で,室町時代の内耳鍋や擂鉢などの土師質土器が出土しています。溝跡は深さ1mほどで,室町時代後期の常滑産甕が出土しています。断面形は薬研状で,区画や排水の機能に加え,防御の機能があったことも推測できます。
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溝跡
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井戸跡