発掘遺跡一覧

島名本田遺跡

しまなほんでんいせき

所在地 茨城県つくば市島名字薬師台1719番地ほか
立地 つくば市の南西部,谷田川右岸の標高約24mの台地上
調査期間 2019年4月1日~2019年11月30日
調査面積 6,306㎡
主な時代 古墳時代奈良時代平安時代室町時代江戸時代
主な遺構 土師器(坏・壺・甕・甑),須恵器(坏・鉢・甕),土師質土器(内耳鍋・小皿・擂鉢),陶器(鉢・甕・香炉),磁器(皿・碗・蕎麦猪口),石器(鏃・砥石),石製品(五輪塔),木製品(杭),金属製品(釘・銭貨・キセル)
主な遺物 土師器(坏・壺・甕・甑),須恵器(坏・鉢・甕),土師質土器(内耳鍋・小皿・擂鉢),陶器(鉢・甕・香炉),磁器(皿・碗・蕎麦猪口),石器(鏃・砥石),石製品(五輪塔),木製品(杭),金属製品(釘・銭貨・キセル)

調査の成果

date on: 2019.12

当遺跡の6回目の調査が終了しました。今年度の調査では,古墳時代から平安時代までの竪穴建物跡のほか,室町時代の溝跡や掘立柱建物跡,地下式坑,江戸時代の井戸跡,土坑墓などを確認しました。この結果,これまでの調査で確認されていた古墳時代から平安時代にかけての集落の広がりを明らかにすることができました。また,調査区の東側は,土坑墓が密集しており,近世には墓域として利用されていたことが分かりました。土坑墓の形状は,長方形や正方形,楕円形と様々で,底面は平坦なもののほか,北側が一段掘り下げられているものもあります。これらは,当時の埋葬形態を知る貴重な手がかりとなるものです。

  • 遺跡の遠景(南から)

  • 上空から見た島名本田遺跡(南東から)

調査の状況

date on: 2019.10

今年度の調査も佳境に入っています。調査の結果、竪穴建物跡を11棟確認しました。時期は、出土した遺物などから古墳時代から平安時代までの竪穴建物跡と考えられます。
古墳時代後期の第123号竪穴建物跡では、竈の周辺からたくさんの遺物が出土しました。平安時代の第125号竪穴建物跡は、後世の撹乱をあまり受けずに今年度調査の竪穴建物跡の中では最も残りがよいものでした。

  • 第123号竪穴建物跡の遺物出土状況

  • 第125号竪穴建物跡の完掘状況

調査の状況

調査によって,溝や地下式坑,井戸など,中近世の遺構が多く確認できました。現在調査を進めているC区では,土坑墓を確認し,これまでに7基を調査しました。中からは人骨や埋葬された人物が愛用していたと考えられるキセル,六道銭として使用した寛永通宝6枚などが副葬品として出土しました。土坑墓の形状は方形が多いですが,楕円形のものもあります。昨年度も10基以上の土坑墓を調査しており,当遺跡の西側には近世の墓域が形成されていたと考えられます。

  • 北壁をえぐるようにして掘られた墓坑

  • 土坑墓から出土したキセルと古銭

調査の状況

今年度の調査区は,A~C区のうち,A・B区は終了し,現在はC区の調査を行っています。C区からは溝や土坑以外にも井戸跡や地下式坑を多数確認しています。溝からは室町時代から江戸時代にかけての内耳鍋が出土しています。地下式坑は長軸4mを超えるものもあり,深さも1.8mとかなり大型です。地下式坑は様々な向きで作られており,軸方向が一定していません。どのような使われ方をしていたのか,興味深いところです。

  • 溝からまとまって出土した土器

  • 地下式坑の調査風景

調査の状況

表土除去作業と遺構確認作業が終了し,本格的な調査を開始しました。当遺跡の調査は,平成23年度から始まり,今回で6回目となります。これまでに,古墳時代から平安時代にかけての集落跡や,室町時代から江戸時代にかけての館跡が確認されています。今回も,同様の遺構を確認しています。今年度の調査区は4か所に分かれており,現在は最も南の部分を調査しています。東西方向に溝状の遺構を確認しており,トレンチ調査の結果,当初溝であったものを,道路として再利用した様子が分かってきました。

  • 遺構確認作業

  • 道路跡の調査

つくば島名事務所

〒300-2655 茨城県つくば市島名1679-1番地