発掘遺跡一覧

島名熊の山遺跡

しまなくまのやまいせき

所在地 茨城県つくば市島名字関ノ台1374-1番地ほか
立地 つくば市の南西部,谷田川右岸の標高24mの台地上
調査期間 2016年4月1日~7月31日
調査面積 3,420㎡
主な時代 縄文時代古墳時代奈良時代平安時代江戸時代
主な遺構 縄文土器,土師器(坏,甕),須恵器(坏,高台付坏,蓋,盤,高盤,鉢,甕),陶器(甕・擂鉢),磁器(碗),土製品(勾玉),石器(尖頭器,鏃,磨石,砥石),金属製品(銭貨,煙管),鉄滓
主な遺物 縄文土器,土師器(坏,甕),須恵器(坏,高台付坏,蓋,盤,高盤,鉢,甕),陶器(甕・擂鉢),磁器(碗),土製品(勾玉),石器(尖頭器,鏃,磨石,砥石),金属製品(銭貨,煙管),鉄滓

調査の成果

今年度の島名熊の山遺跡(14区)の調査が終了しました。今年度の調査では,土坑84基,溝跡11条,井戸跡1基,ピット群4か所を調査しました。調査区東側で調査した第243号井戸跡は直径約3.8mの掘り込みの中に直径約1mの井戸部を有する二段掘り込みの形状をしていました。中段のテラス状部分には白色粘土を貼っている様子が確認できました。時期は出土した遺物から平安時代(9世紀前葉)と考えられます。谷を利用して延びる2条の溝跡(第120号溝跡,第518号溝跡)は,これまでに調査された溝跡とつながることが分かりました。2条の溝跡は,古墳時代後期から平安時代にかけて集落の北辺から西辺を区画していたと考えられます。このように,古墳時代後期から平安時代にかけての遺構や遺物を中心に,縄文時代や江戸時代まで幅広い時期に土地利用が行われていたことが分かりました。

  • 調査が終了した今年度の調査区

  • 二段の掘り込みをもつ第248号井戸跡

  • 集落の北辺から西辺を区画する2条の溝

  • 第120号溝跡から出土した9世紀代の須恵器

調査の状況

島名熊の山遺跡の調査が始まりました。今年度の調査区は,遺跡の北部に当たる14区で,昨年度調査を行った13区の道路を隔てた西側になります。これまでに今回の調査区の南側を調査しており,古墳時代から平安時代にかけての竪穴建物跡などが確認されています。調査は5月上旬に表土除去が終了し,遺構確認を行ったところ,土坑や溝跡などを確認しました。調査区の南西から東方向に延びている2条の溝跡は,これまでに調査した第518号溝跡(古墳時代後期~平安時代)と第114号溝跡(奈良時代~平安時代)の続きと考えられます。今後の調査の進展が楽しみです。

  • 今年度の調査区(南東から)

  • 調査区を縦断する2条の溝跡(南西から)

つくば島名事務所