柴崎大堀遺跡
しばさきおおほりいせき
所在地 | 茨城県つくば市柴崎字大堀890番地ほか |
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立地 | つくば市の東部,花室川左岸の標高27mの台地上 |
調査期間 | 2016年9月1日~11月30日 |
調査面積 | 1,300㎡ |
主な時代 | 旧石器時代平安時代室町時代江戸時代 |
主な遺構 | 石核,剥片,土師器,須恵器,土師質土器,陶器,磁器 |
主な遺物 | 石核,剥片,土師器,須恵器,土師質土器,陶器,磁器 |
調査の成果
今回の調査によって,これまで確認された堀跡がさらに西側に続いていることが明らかになりました。堀の深さは,確認面から約2.5mの部分と,約3mの部分があり,調査区の西端部では約1mほどでした。西端部では,堀の深い部分の延長線から南へずれた位置に,0.5mほどの深さに掘り込まれた堀の深い部分の一部が確認できました。今回調査した堀跡の深い部分は,わずかに北側に曲がっていました。堀跡の他には,旧石器時代の石器集中地点1か所,平安時代の土坑1基,近世の溝跡2条,時期不明の土坑4基と溝跡1条を確認しました。
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調査区遠景(西から)
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調査区近景(東から)
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大規模に掘り込まれた堀(西から)
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深さの異なる堀底(西から)
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並んで出土した旧石器時代の石核
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平安時代の第46号土坑と逆さに置かれた土師器高台付坏
調査の状況
平成21・26・27年度に続き,4度目の調査を進めています。堀跡覆土の掘り込み作業が終わり,堀がどのように埋没していったのかを調べるための土層断面の記録作業を行いました。大規模な堀跡なので,安全に注意しながら発掘機器を駆使して,正確に記録するように努めています。堀跡の埋没過程を検討した結果,大きく2時期に分かれ,堀跡が約半分埋まった段階で,幅広く掘り直されていることが判明しました。写真(右)の朱枠内に粘土ブロックが堆積しています。この層の上部が掘り直された幅広の浅い堀跡と考えられます。今後は,空中写真撮影に向けて,堀跡全体の清掃作業を行う予定です。
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発掘機器を駆使した記録作業
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埋没した堀跡と掘り直しの痕跡
調査の状況
柴崎大堀遺跡の調査が始まりました。表土除去作業の結果,平成26年度の調査範囲から西側へ延びる堀跡が確認されました。堀跡の覆土を掘り下げたところ,過去の調査範囲で確認された堀跡よりも比較的浅く,確認面からの深さは約2.5mです。断面の形状がV字状の薬研堀です。壁面は,自然の黄白色粘土で雨が降ると雨水が溜まります。また,滑って容易に昇り降りすることはできません。今後,より詳細な調査を進めていきます。
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これまでに調査された堀跡と調査範囲
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柴崎大堀遺跡と周辺の遺跡