発掘遺跡一覧

柴崎大堀遺跡

しばさきおおほりいせき

所在地 茨城県つくば市柴崎字大堀903-2番地ほか
立地 つくば市の東部,花室川左岸の標高27mの台地上
調査期間 2015年9月1日~11月30日
調査面積 5,253㎡
主な時代 縄文時代室町時代江戸時代
主な遺構 土師質土器(内耳鍋),陶器(碗),磁器(皿)
主な遺物 土師質土器(内耳鍋),陶器(碗),磁器(皿)

調査の成果

土塁と旧表土を掘削した結果,新たに土坑10基,溝跡4条を確認しました。土坑は断面形がゆるやかなV字形を呈し,底面にピットをもつものが6基確認され,形態の特徴などから縄文時代の陥し穴と考えられます。溝跡は堀構築より古いものが1条,出土した磁器片や覆土の状況から江戸時代以降と考えられるものが3条確認できました。11月末に,全景写真を撮影し,調査を終了しました。

  • 堀構築以前の遺構と地形(北東から)

  • 獣を捕獲したと考えられる陥し穴(南東から)

調査の状況

11月から堀と土塁が構築される以前の遺構などを確認するための調査を開始しました。重機を使い,土塁および旧表土層を掘削し,遺構確認作業を進めています。昨年度の調査では,土坑が確認されています。今回はどのような遺構が確認されるでしょうか。

  • 堀跡の両側にのびる土塁(北東から)

  • 土塁と旧表土層の掘削(南西から)

調査の状況

堀跡の全貌がほぼ明らかになりました。堀跡は東西方向に延びており,深さ約2m,長さ約150mで,断面形状がU字状です。西部約75mでは,堀跡の両側に高さ約50cmの土塁が確認できました。U字状の底面から深さ約4mのV字状(薬研掘)に掘削されている部分が2か所確認できました。一方,東部では,土塁が確認できませんでした。東部は,西部の堀跡に比べて深さなどの規模が小さく,次第に自然地形の谷津につながっていくと考えられます。堀跡の構築や埋没時期については,出土遺物が少ないため確定は出来ないものの,内耳鍋などが出土していることから,室町時代ごろと考えられます。

  • 調査区遠景(南西方向から)

  • 調査区遠景(東方向から)

  • 調査区遠景(西方向から)

  • 調査区近景(東部から西部へ)

調査の状況

調査区の中央部から東部にかけて,深さ約2mの薬研堀跡が確認できました。途中で北側に「く」の字に曲がりながら東方向へ続いています。また,西部では,堀跡の両側に土塁が確認できました。旧表土の黒色土の上に,堀を掘り込んだ際の排土を盛り上げて構築しています。堀跡の深い部分では,白色の粘土層まで掘り込んでいることから,土塁はそれらの掘り上げた粘土などを上手に使って構築したと考えられます。

  • 堀跡近景(中央部から東部へ)

  • 粘土を盛り上げた土塁

調査の状況

9月から平成26年度に調査した堀跡の東側を調査しています。昨年度の調査区域の西半部では深さ約4mの大規模な薬研堀跡が確認できました。今年度の調査では,堀の長さは約150m,深さは1.5~2mで,一定の間隔で深さ約4~5mで薬研状に掘削されている様相が明らかになってきました。

  • 遺跡遠景(西側から ○印が今回の調査区域)

  • 大規模に掘り込まれた堀跡の様子

つくば中根事務所