牛頭座南遺跡
ごとうざみなみいせき
所在地 | 茨城県稲敷郡阿見町大字吉原字牛頭座3535-9番地ほか |
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立地 | 阿見町の南部,桂川右岸の標高約25mの台地上 |
調査期間 | 2017年7月1日~10月31日 |
調査面積 | 5,559㎡ |
主な時代 | 縄文時代 |
主な遺構 | 縄文土器(深鉢),土製品(土器片錘・土器片円板),石器(鏃・磨製石斧・石皿・凹石) |
主な遺物 | 縄文土器(深鉢),土製品(土器片錘・土器片円板),石器(鏃・磨製石斧・石皿・凹石) |
調査の成果
当初の調査予定期間を2か月短縮して調査を終了しました。確認した遺構は,縄文時代の竪穴建物跡5棟,土坑28基,炉穴2基です。竪穴建物跡の内部には,土器を埋設した炉跡や床面を掘り込んだ炉跡,柱穴があります。土坑は円形で深く,木の実などの食料の貯蔵に適した形状です。このような土坑は,竪穴建物跡の周辺に集中して設けられていました。後世の土地改変等により遺構が確認できなかった部分もありましたが,当遺跡は出土した土器の文様から,縄文時代中期終わり頃の短期間に営まれた集落跡の一部と考えられます。
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円形の竪穴建物跡
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調査区北部の遺構群
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空から見た当遺跡(北から)
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空から見た当遺跡(東から)
調査の状況
調査区北部の調査を進めています。北部では,竪穴建物跡のほか,土坑やピット群などを確認しました。この土坑は,クリやドングリなどの食料を貯蔵する穴と考えられます。出土した土器は加曽利EⅣ式と呼ばれる縄文土器で,縄文時代中期(約5,000~4,000年前)の終わり頃のものです。今後は,東部を調査する予定です。なお,当遺跡の調査は,当初の計画を変更して10月で終了します。
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炉(写真中央)が付設された竪穴建物跡
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土坑から出土した縄文土器
調査の状況
調査区西部及び南部の調査を進めています。南部に位置する第1号竪穴建物跡の床面では,土器埋設炉を確認しました。内部では,焼土を含んだ赤変硬化した層が観察できました。時期は,出土土器から縄文時代中期(約5,000~4,000年前)の終わり頃と考えられます。今後,土器の埋設方法や竪穴建物跡と重なり合った土坑を調査する予定です。
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縄文時代の竪穴建物跡と土坑
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土器埋設炉の調査
調査の状況
重機による表土除去作業が終了し,遺構確認作業を行っています。当地域では,過去に牛頭座遺跡,吉原向遺跡などを調査し,古墳時代の集落跡などを確認しています。当遺跡では主に縄文土器が出土していることから,縄文時代の集落跡と考えられます。当地域の歴史に新たな発見が加わることを期待しながら調査を進めていきます。
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姿を現した遺構(手前)
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調査区西部の遺構群