発掘遺跡一覧

談義所遺跡

だんぎしょいせき

所在地 茨城県坂東市弓田字腰巻309番地ほか
立地 坂東市の中央部,江川左岸の標高約15mの微高地及び台地上
調査期間 2019年9月1日~2020年3月31日 
調査面積 3,038㎡
主な時代 縄文時代古墳時代室町時代江戸時代
主な遺構 縄文土器(深鉢・浅鉢・壺・注口土器),土師器(坏・高坏),土師質土器(内耳鍋・擂鉢・小皿),土製品(土錘・土版),石器(石鏃・打製石斧・磨製石斧・磨石・石皿・凹石),石製品(石臼・石棒・石剣・岩版・装身具)
主な遺物 縄文土器(深鉢・浅鉢・壺・注口土器),土師器(坏・高坏),土師質土器(内耳鍋・擂鉢・小皿),土製品(土錘・土版),石器(石鏃・打製石斧・磨製石斧・磨石・石皿・凹石),石製品(石臼・石棒・石剣・岩版・装身具)

調査の成果

date on: 2020.03

調査が終了しました。調査によって,縄文時代後期から晩期にかけて集落が営まれていたことがわかりました。また,東北地方から運ばれてきたと考えられる土器やその影響を受けてこの地で作られた土器をはじめ,人面付き土版や岩版,石棒形の石皿など祭祀に使用されたと考えられる貴重な遺物が多数出土しました。

  • 東北地方からの搬入品(左)と,その影響を受けた土器(右)

  • 竪穴建物跡から出土したたくさんの土器と,石棒形の石皿

調査の状況

date on: 2020.02

談義所遺跡の調査も大詰めを迎え,縄文時代の集落の様相がわかってきました。台地の縁辺部には集落が営まれており,谷と台地の間には墓域があったことがわかりました。谷部からは壊れた土器が多く出土していることから,不要になったものを廃棄した場所と考えられます。調査区は遺跡全体のほんの一部でしかありませんが,居住域・墓域・廃棄場にエリアを区分するなど,集落内における土地の利用状況を知ることができました。

  • 縄文時代の竪穴建物跡から出土した注口土器

  • 横倒しの状態で出土した深鉢

調査の状況

date on: 2020.01

縄文時代後期から晩期の集落跡の調査を行っています。複数の竪穴建物跡が重なり合った状態で確認でき,長期にわたって集落が営まれていたことがわかりました。今回出土した遺物の中で特徴的なものとして石棒を模した石皿があります。石棒とは男性器を表した石製品で,豊穣や子孫の繁栄を祈ったマツリの道具と考えられています。一方,石皿は木の実をすりつぶして粉にするための道具ですが,その形から女性器に例えられています。この石皿は,男女両方を模したもので大変珍しい資料です。

  • 重なり合う縄文時代の竪穴建物跡

  • 石棒を模した石皿

調査の状況

date on: 2019.12

確認した縄文時代後期の竪穴建物跡の平面形は台形で,壁際にたくさんの柱をもつ構造をしています。また,この他に,完形の浅鉢が伏せられた状態で埋められた楕円形の土坑も4基確認されています。これら4基は近い場所で確認されており,縄文時代晩期のお墓の可能性があります。

  • 縄文時代後期の竪穴建物跡

  • 浅鉢が伏せられた状態で出土した土坑

調査の状況

date on: 2019.11

表土除去と遺構確認作業を終え,本格的に遺構の調査を開始しました。これまでに縄文時代後・晩期や古墳時代中期の竪穴建物跡,土坑,遺物包含層などを調査しています。縄文時代の竪穴建物跡からは,たくさんの縄文土器や石器が出土しました。ほとんどの遺物は床面よりも高い位置から出土していることから,埋没していく過程で捨てられたものと考えられます。

  • たくさんの土器が出土した縄文時代の竪穴建物跡

  • 縄文土器(浅鉢)の出土状況

坂東事務所

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