那珂西遺跡・那珂西城跡
なかさいいせき・なかさいじょうあと
所在地 | 茨城県東茨城郡城里町那珂西2043-7ほか |
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立地 | 城里町南東部、那珂川と西田川に挟まれた標高約40mの台地上 |
調査期間 | 2022年4月1日~6月30日 |
調査面積 | 499㎡ |
主な時代 | 縄文時代古墳時代平安時代室町時代 |
主な遺構 | 縄文土器(深鉢)、土師器(高台付坏・甕・壺)、須恵器(坏・甕・壺)、陶器(鉢)、石器(火打ち石)、銭貨(聖宋元寳ヵ) |
主な遺物 | 縄文土器(深鉢)、土師器(高台付坏・甕・壺)、須恵器(坏・甕・壺)、陶器(鉢)、石器(火打ち石)、銭貨(聖宋元寳ヵ) |
調査の成果
date on: 2022.06
帯曲輪の下面から、土塁や堀跡を確認しました。堀跡は土塁と切岸に挟まれ、折れ曲がります。土塁は堀側に障壁状の突出部を構築し、南へ向かうほど堀幅を狭くする構造が特筆されます。また、南側の台地斜面部でも、堀跡を確認しました。堀は折れ曲がりや湾曲しながら、台地の中腹に沿って調査区を超えて延びていることから、台地を囲う堀が推定され、城郭が台地の南端部まで及ぶ可能性が高くなりました。
障壁=堀底などに構築された進入を妨げる壁状の障害物。
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土塁と切岸に囲まれた堀跡
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土塁にみられる障壁状の突出部(奥が南)
調査の状況
date on: 2022.05
昨年度からの調査が再開しました。現在、那珂西城跡の切岸や帯曲輪の調査を進めています。切岸の壁は中腹からほぼ垂直に掘り込まれており、容易に登ることができない防御構造をしています。また、帯曲輪に構築された2基の炉跡は、切岸の壁沿いに位置しています。帯曲輪上の人の動きを妨げない場所で、城が機能していた時に煮炊きなどをしたことが考えられます。
切岸=敵の侵入を防ぐための人工的な急斜面
帯曲輪=守備力を強化するために造られる帯状の区画
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垂直に掘り込まれた切岸と炉跡
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石で囲まれた炉跡