報告書

宮後東原遺跡

書名ふりがな みやごひがしはらいせき
書名 宮後東原遺跡
副書名かな いっぱんけんどうひがしやまだいわせせんどうろせいびじぎょうちないまいぞうぶんかざいちょうさほうこくしょ
副書名 一般県道東山田岩瀬線道路整備事業地内埋蔵文化財調査報告書
シリーズ名 茨城県教育財団文化財調査報告
シリーズ番号 412
編著者名 田村雅樹
編集・発行機関 公益財団法人茨城県教育財団
発行年月日 2016(平成28)年3月18日
郵便番号 〒310-0911
住所 茨城県水戸市見和1丁目356番地の2
電話番号 029-225-6587
遺跡名ふりがな みやごひがしはらいせき
遺跡名 宮後東原遺跡
所在地ふりがな いばらきけんちくせいしみやごあざひがしはら541ばんち6ほか
遺跡所在地 茨城県筑西市宮後字東原541番地6ほか
遺跡北緯度 36度05分43秒
東経度 140度27分00秒
遺跡標高 38〜39m
調査期間 20111101〜20120331 20120801〜20120930,20140201〜20140331
調査面積 3,558㎡ 1,592㎡ 2,008㎡
調査原因 一般県道東山田岩瀬線道路整備事業に伴う事前調査
種別 集落跡/墓域
時代 奈良時代平安時代室町時代江戸時代時期不明
遺構と遺物

奈良:竪穴建物跡7棟,掘立柱建物跡7棟,大型円形土坑1基,柱穴列4条,土坑9基,ピット群3か所/土師器(坏・小形甕・甕),須恵器(坏・高台付坏・蓋・盤・高盤・短頸壺・長頸瓶・鉢・甕・甑),土製品(支脚・紡錘車),石器(砥石・紡錘車),金属製品(刀子・手鎌・釘)
平安:竪穴建物跡25棟,掘立柱建物跡9棟,井戸跡2基,柱穴列2条,土坑12基,ピット群1か所/土師器(坏・高台付椀・蓋・皿・鉢・甕・甑・坩堝),須恵器(坏・高台付坏・蓋・盤・円面硯・コップ形土器・長頸瓶・鉢・甕・甑),灰釉陶器(皿・長頸瓶),土製品(羽口),金属製品(刀子・鎌・鉸具ヵ・責金具・鎹),椀形滓
室町:掘立柱建物跡6棟,方形竪穴遺構2基,井戸跡2基,墓坑1基,地下式坑7基,柱穴列2条,土坑2基,溝跡1条,ピット群1か所/土師質土器(皿・擂鉢・内耳鍋),陶器(平碗・鉢),石器(砥石),金属製品(刀子・銭貨)
江戸:井戸跡2,墓坑群1か所,道路跡2条,土坑1基,溝跡2条/土師質土器(甕),瓦質土器(火鉢),陶器(皿・擂鉢),土製品(土人形),金属製品(釘・煙管・銭貨),石器(砥石)・瓦(桟瓦),ガラス製品(数珠玉)
不明:土坑221基,ピット群1か所/縄文土器(深鉢),弥生土器(広口壺),土師器,須恵器,陶器(碗・皿・鉢),土製品(管状土錘),石器(尖頭器・削器・石鏃・敲石),金属製品(徽章),瓦(軒丸瓦)

特記事項・要約 奈良時代から江戸時代の集落跡と室町・江戸時代の墓域を確認した。奈良・平安時代の集落は,確認できた遺構の分布状況から竪穴建物と掘立柱建物,竪穴建物とそれを取り囲む掘立柱建物,竪穴建物群で構成された小群で形成されていたものと考えられる。また,坩堝や羽口,鉄滓などが出土していることから,近辺に集落と関わる工房などの施設が想定できる。
第2号井戸跡から出土した約1900点にのぼる土師器は,供膳具の割合が多く,使用痕が少ないことから饗宴や祀りなどに使用されたと考えられる。供膳具は,口径値が統一的であることから,蓋との組み合わせを考慮した規格性の高い製品と推測できる。
また,室町時代では地下式坑の形態変化,江戸時代の墓坑群では横位屈葬から座葬へ,埋葬の仕方が変化していくことが推測でき,墓制に関わる良好な資料が得られた。
  • 調査区全景

  • 第2号井戸跡から出土した土師器