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今月の逸品(2023.8):島名本田遺跡出土の白天目茶碗

2023.8.1

発掘・整理遺跡

今回、紹介する逸品は、つくば市の島名本田遺跡の堀跡から出土した白天目茶碗です。この器は、口径11.8cm、器高7.7cmで、体部上位から口縁部にかけて屈折して外反する天目茶碗特有の形状をしています。桃山時代から江戸時代初期(約420年前)にかけて瀬戸や美濃で生産された天目茶碗は黒釉を施したものが一般的ですが、長石釉を施した白天目茶碗は天目の中でも評価が高く、名品とされています。
島名本田遺跡で出土した白天目茶碗は一点のみですが、黒釉を施した天目茶碗は破片を含めると、十数点を確認しています。桃山時代に流行した茶の湯は、貴族や大名などの教養や嗜みとして享受され、大名の家臣を介して、江戸時代初期には地方村落の有力者にまで伝播します。桃山文化が当地まで広がり、浸透していたことを知ることができます。

島名本田遺跡の堀跡から出土した白天目茶碗

 

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