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今月の逸品(2023.6):島名境松遺跡出土の注口土器

2023.6.1

発掘・整理遺跡

今回、紹介する逸品は、つくば市の島名境松遺跡の土坑から出土した縄文時代中期末葉(約4,500年前)の注口土器です。
注口土器は、高さ20.8cm、最大径15.2cmの端正なヒョウタン形で、上位に短かく斜め上を向いた注ぎ口が付いており、注口や突起を起点に細い粘土紐で渦巻文を描いています。土器の表面には、赤く彩色されていた痕跡がうかがえます。
注口土器は、入念に製作され、美しい文様を施しており、容積も大きくないことから、日常の容器ではなく、儀礼に用いた特別な容器と考えられています。
特別の場での液体といえば、酒が連想されます。この注口土器にも酒が入れられ、儀礼に用いられたのかもしれません。

島名境松遺跡出土の注口土器