今月のイチオシ(2024.9):鎌田遺跡出土の鉄鏃
2024.9.1
発掘・整理遺跡
今月のイチオシは、つくばみらい市の鎌田遺跡から出土した奈良・平安時代(約1,100~1,300年前)の鉄鏃(鉄製の矢じり)です。
先端に刃がついた細い棒状のもの、先端が三角形で矢印のようなもの、二股に分かれたもの、小ぶりな斧のようなものなど様々な形が見られます。戦闘や狩猟に用いられるもので、細いものは戦闘用、幅の広い三角形のものなどは狩猟用と考える研究があります。平成11年の調査では、20点ほどの鉄鏃のほかに「矢作家」と書かれた墨書土器が出土していることから、矢の使用だけでなく製作にも関わる可能性があります。
矢じりの形や重さがバラバラだと飛び方も変わるので、矢を射る人には技術が求められます。的を射るまでにどれほどの練習が重ねられたのでしょう。

鎌田遺跡出土の鉄鏃